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基本事項決定にあたって


行政書士 野瀬利生事務所
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1.商号の選定

商号とは、会社の名前のことです。この名前の付け方にはいくつかルールがあります。

まず、使用できる文字が決まっています。
 
 漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字(大文字、小文字どちらも可)、アラビア数字
 (いわゆる0,1,2,3、)、一定の記号(&、'、−、・)などです。

次に、会社の形態を前か後ろにつけます。

 株式会社○○、○○株式会社

その他、○○支店、○○支社など会社の一部を表す言葉は、使用できません。

また紛らわしい言葉も使えません。(病院でもないのに○○病院という言葉は、使用できません)

また、名の知れた企業の名前を使うのも不正競争防止の観点からやめたほうがいいでしょう。



2.会社の事業目的を決める

会社設立後に行う事業はもちろんのこと、将来行う予定のある事業、についても会社を設立する段階で決めておいた

ほうがよいでしょう。

また、事業を行うにあたって許認可を必要とする業種では、必ず事業目的に入れておかなくてはなりません。(建設

業、産業廃棄物収集運搬業とか。許認可についてはこちら

また、登記申請するときには、事業目的の表現が問題になることがありますので、「営利を追求する事業であるこ

と」、「その内容が具体的で、わかりやすいこと」などに留意して決めてください。(当事務所で登記申請に通りやすい

ように変更させていただく場合があります)


3.会社の本店所在地、事業年度

会社の本店所在地については、特に制限はありません。自宅でも貸しビルの一室でもどこでもO.Kです。ただ、マン

ション等を事務所にする場合、貸主(大家さん)の了解を取っておいたほうがよいでしょう。

事業年度については、1年以内であれば機関は自由に決めることができます。1月〜12月でも4月〜3月でも好き

に決めていいです。ただ決算のことを考えると設立月を年度開始にしたほうが決算を先送りにできますし(まるまる1

年後まで先送りできます)、

資本金1000万円未満の会社は、最初の2期分の消費税が免税となりますので、最初の年度が長いほどお得で

す。


4.資本金、出資者、株式譲渡制限

新会社法の施行により、資本金は、1円でもよくなりました。

しかし会社を運営していく上で出費は意外と多くなるものです。

資本金がなくなれば、たとえ社長がお金を出したとしても経理上は、会社の借入金となってしまいます。初めての売

り上げが上がるまでの運転資金なども考慮に入れて資本金を決めたほうがよいでしょう。

出資者とその出資額については、資本金がいくら必要かというところから逆算して考えるのがよいと思います。

出資の金額は、「1株の金額×株数」で計算します。一般的には1株5万円で計算します。

ここで注意することは、出資の割合です。株式会社では、株主は会社の実質的な所有者として所持する株式数に応

じて議決権を行使し、重要な事項を決める権限を持ちます。

つまり、出資額の多い株主の権限が強くなるわけです。

オーナーとして、会社を自由に経営したいとお考えならご自分の出資の割合は、最低でも過半数、できれば3分の2

以上(重要事項も含めてすべて決定できます)にしておく必要があります。

株式譲渡制限については、株式を他人に譲渡するときには、株主総会等の承認が必要とすることができるもので、

将来会社とまったく無関係の人が知らないうちに株主となってしまうような事態を防止するためにも制限を設けたほう

がよいでしょう。

また、これまでは、相続や合併といった譲渡以外の理由による株主移転を防ぐことができませんでした。

ですから、例えば、社長には会社の専務として経営に携わっていた長男Aと会社経営に一切関与したことがない次

男B、三男Cがいたとすると、社長が亡くなった場合、遺言で意思表示をしていない限り、社長が所有していた株式

は、次男Bや三男Cにも株式が渡り、後継者である長男Aの経営権が不安定になり、それまで会社経営にノータッチ

だった次男Bや三男Cに会社経営に口を出されるおそれが生じてしまうのです。

そこで、新会社法では、会社にとって好ましくない人が株式を取得し、会社経営に悪影響を及ぼさないように、また、

株式の分散防止のため、相続や合併など譲渡以外の理由による株式移転を会社が承認しないことを可能とする旨を

定款で定めることが認められました。相続人に対しては、株式の売渡しを請求できる制度が創設されました。


また株式譲渡制限を設けることにより、取締役等の任期を最大10年に延ばすことも可能になります。


5.機関設計

新会社法では、「株主総会」+「取締役」が基本的な機関構成となります。

これは、1人で会社を立ち上げたり、身内数名のみで会社を立ち上げる場合などに利用できます。いってみれば、従

前の有限会社的な株式会社といえます。

取締役が3名以上なら上記にプラスして、取締役会を設置することもできるようになります。また、取締役会を設置し

た場合は監査役を置かなくてはなりません。この場合のメリットとしては、対外的な信用度のアップが期待できます。

対外的信用度アップの点からは、上記の基本設計に任意で監査役を置くことも可能です。

また、監査役に代えて会計参与をおくこともできます。(監査役とは取締役とともに会社の計算書類を作成する専門

機関です。)


6。起業の形態


起業の形態はどうなるか
株式会社
合同会社(LLC)
LLP
個人事業
形態
法人
法人
組合
個人
責任の
範囲
有限
出資内の
責任
有限
出資内の
責任
有限
出資内の
責任
無制限
開業資金
1円〜
制限なし
制限なし
制限なし
設立手続き
以前より
多少手続きが簡素化
比較的
簡単な手続き
比較的
簡単な手続き
必要なし
税金
段階税率が適用され、
すべての利益に税金がかかる
段階税率が適用され、
すべての利益に税金がかかる
LLPは課税されず、
構成員が利益分配を受けたときそこに直接課税
所得税、地方税が課税される
設立費用
約25万円
約10万円
約6万円
不要

会社法による株式会社:最低資本金1000万円というハードルがなくなり、資本金1円での設立が可能になりました。株式譲渡制限会社は、取締役会の設置義務がなく取締役1人でもかまわず、また、設立手続きも簡略化されるなど、従来の株式会社に比べ大幅に設立しやすくなっています。

LLC(合同会社)
新会社法において導入された法人形態。社員(出資者)の有限責任を確保しつつ、会社の内部運営は組合的な柔軟さが適用され、定款の変更や会社のあり方、利益の配分などは全員の合意のもとで自由に決められる。個人同士が出資して行うローリスク・ローリターン(安定収益型)の共同ビジネスに向いているといわれます。

LLP(有限責任事業組合)
有限責任事業組合契約法により2005年8月から設立が認められました。出資者の有限責任や内部運営などは合同会社と同様ですが、LLPは法人格がないため、LLCは法人税が課されるのに対し、LLPは課税されず、出資者に直接課税されます。企業同士が出資して行う共同事業や個人同士が出資して行うハイリスク・ハイリターンのジョイントベンチャーに向いているといわれます。

個人事業
会社等を設立せず、個人で営業を行うことです。手続きとしては、「個人事業の開業等届出書」を税務署に提出するだけで開業できます。法人のように登記の必要がなく、役員などの概念もないので、比較的気楽にスタートできます。ただし、事業運営の責任は、個人がすべて無限に負う必要があり、法人に比べ社会的信用得られにくく、資本が集めにくいので、大規模な事業を行うには不向きといえるでしょう。



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